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全国順次公開中
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ペルーのドキュメンタリー史上最大の観客動員数を記録‼
ペルー現代史のマスターピース的怪作‼

​『革命する大地』

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​イントロダクション

Introduction

社会の変遷を記憶し、抗う映像たちが問い直すものとはーー
革命が取り戻す私たちの誇り

2019年にペルー本国で公開され、9万人以上を動員し、ドキュメンタリー史上最大のヒット作となった本作は、2021年の総選挙前にテレビ放映も予定されていた。しかし、この映画が大衆に及ぼす影響を恐れた保守派が放送の延期を求めたとも言われている。
1969年にベラスコ大統領率いるいわゆる軍部革命政権によって公布された農地改革法は、それまでのペルーの土地と市民権をめぐる闘争に大きな変革をもたらした。ベラスコ大統領は先住民を半奴隷状態から解放した英雄と見る人と、彼が解体した地主寡頭制に不満を持ち独裁者と見る人とで、ペルー国内を二分する存在である。

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アーカイブ映像、インタビュー、映画・・・
数々の映像から紐解く革命の歴史

ペルー革命前夜として、スペインからの独立を宣言してもなお続くスペイン植民地時代からの半封建主義的なペルーの社会構造が、アーカイブ映像と多数のインタビューや引用作品によって丁寧に語られていく。ペルーの国民的作家あるマリア・ホセ・アルゲダスや農民リーダーらが当時を振り返り告白する。
そして舞台は徐々に運命の1968年へと加速する。ペルー革命からベラスコ政権の瓦解まで、社会の変化を映画は鮮明に映し取った。この変化は、日本で初めて公開されたペルー映画の『みどりの壁』や『革命児トゥパク・アマル』、『豚と天国』など数々のペルー映画に反映され封じ込められた。それは、当時の映画をはじめとするペルーの文化形成における形式的・美的変化を浮き彫りにするアンソロジーとしても見て取れる

現代へ脈々と受け継がれる、革命の記憶

知識人たちは「農地改革は全員が市民になれる手段だった」と証言する一方で、農地改革後にペルーを待っていたのは暴力の時代だったのも確かだ。そして、「民主的であるなら多様性への寛容さが必要だ」と警鐘をならす。現代ペルーの知識人や政治家、文化人へのインタビューによって“ペルー革命”が再構築されていく。ペルー革命から約50年、今も政治的混迷が続くペルー。この先、ペルーはどこへ向かうのか? 暴力や銃以上に記憶された映像や物語が私たちの味方であることを問い直す。本作は革命によって社会に、民衆に何をもたらすのかを突き付けるドキュメンタリーなのだ。

映画を紐解くキーワード
フアン・ベラスコ・アルバラード

ペルー革命の立役者。1910年に北部ピウラの貧しい家庭に生まれ、首都リマに移って陸軍に入隊、陸軍総司令官に上り詰めた。1968年、改革を志向する他の軍人とともにベラウンデ政権をクーデターで打倒。革命政府の大統領として「農民よ、もはや地主たちが諸君らの貧しさを食い物にすることはない」という言葉とともに農地改革を断行。その他、数多くの改革を行うも、1973年に急病で右脚を切断する大手術を受けて以降、求心力が低下。1975年に軍内部のクーデターで失脚し、77年死去。軍人・政治家として厳格で狡猾でありつつ、庶民的で気取らない振る舞いが国民の人気を集め、「エル・チノ」(「中国人」の意味)の愛称で親しまれた。

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ペルー革命

1960年代の政治・経済・社会全般の危機を背景に、1968年10月3日にクーデターで実権を掌握したベラスコ将軍率いる軍部による一連の改革を指す。革命政府を名乗った軍政は、米国資本の石油会社接収、農地改革による大土地所有の解体、重要産業の国有化、ケチュア語(先住民族の言語の一つ)の公用語化等、社会を一変させる措置を次々にとった。外交面では当時の社会主義諸国と国交を結び、非同盟運動に活発に加わった。他方、軍政下で既成政党やマスメディアは弾圧され、また農地改革後の農業生産性も期待されたほど向上しなかった。ベルムデスによる軍内部のクーデターでベラスコが失脚し、革命は道半ばで途絶えた。半世紀超が経過した現在、ペルー革命の功罪について議論が続けられている。

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『革命する大地』に登場する主な人物

ウーゴ・ブランコ(農民リーダー)
テオ・アラン・チャンビ(チャンビ・アーカイブ)
ノラ・デ・イスクエ(映画監督)
フェデリコ・ガルシア(映画監督)
フランシスコ・モラレス・ベルムデス(元ペルー共和国大統領)

『革命する大地』に登場する主な作品

※本編登場順

※製作年は本編に準じる

※日本公開に関わらず既出作品は邦題表記

 

『革命児トゥパク・アマル』(1984) 監督:フェデリコ・ガルシア

『コンドルがうまれたところ』(1977) 監督:フェデリコ・ガルシア

『砂のミラージュ』(1972) 監督:アルマンド・ロブレス・ゴドイ

『ルイス・パルド』(1927) 監督:エンリケ・コルネホ・ビジャヌエバ

『みどりの壁』(1970) 監督:アルマンド・ロブレス・ゴドイ

『ククリ』(1961) 監督:ルイス・フィゲロア、エウロヒオ・ニシヤマ、セサル・ビジャヌエバ 

『チョロ』(1972) 監督:ベルナルド・バティエフスキー

『豚と天国』(1990) 監督:フランシスコ・ロンバルディ

『ある黒幕の死』(1980) 監督:フランシスコ・ロンバルディ

『ライオンのすみか』(1988) 監督:フランシスコ・ロンバルディ

『夢のバスにのって』(1987) 監督:フェルナンド・エスピノーサ、アレハンドロ・レガスピ

『アンデス、ふたりぼっち』(2018) 監督:オスカル・カタコラ

『湖の娘 アンデスの水を守る』(2015) 監督:エルネスト・ティト・カベジョス

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​監督プロフィール

Director Profile

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ゴンサロ・ベナべンテ・セコ

1982年、ペルー・リマ生まれ。映画・演劇・テレビの監督・脚本家。映画製作会社AUTOCINEMAのディレクター兼ゼネラルマネージャー。監督・脚本家とし多くのテレビ番組制作にも関わる。戯曲『El rastro...』は文化省から全国ニュー・ドラマツルギー賞(2014)を受賞、2015年に出版された。ペルーのカトリカ大でオーディオビジュアル・コミュニケーションとジャーナリズムの2つの学士号、同大学でイスパノアメリカ文学の修士号を取得。現在は、カトリカ大学で映画講座の教鞭を執る。その他、「Un Techo para mi País - Perú」(TECHO)というラテンアメリカの若者を貧困脱却対策に参加させることを目指す非営利団体で3年間、コミュニケーション・ディレクターを務めた。

フィルモグラフィー

2013  『Rocanrol ’68』 監督・脚本・編集・アソシエイト・プロデューサー
   文化省長編映画製作基金(2011)正式出品、リマ映画祭最優秀ペルー映画企画賞

   (2012)正式出品、第5回ラティーノ&ネイティブアメリカン映画祭最優秀新人監督賞
2017  『Ítaca』 監督
   サラ・デ・パルト審査員特別賞
2018  『Largo tiemp』 監督・脚本

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劇場情報

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劇場情報

地域 

劇場名

上映日付

北海道

上映終了

福島

10月18日~

群馬

上映終了

​東京

上映終了

神奈川

上映終了

静岡

上映終了

愛知

上映終了

京都

上映終了

大阪

上映終了

兵庫

上映終了

鹿児島

上映終了

沖縄

上映終了

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​予告編
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 コメント

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先日ケチュア語のシンガー、イルマ・オスノさんと会った。彼女は歌うことで過去を現在に接続し、アンデスの哲学や世界観を継承していた。この映画もまた、そんな歌のような作品だ。思い出し、そして歌い出す。

ダースレイダー(ラッパー)

立場を異にする多様な人物へのインタビュー、豊富なアーカイブ映像、歴史的な写真、時代を刻印してきた40本近いペルー映画からの引用――昔を知らない若い映画人たちは、それらを目配りよく構成して、この映画をつくりあげた。ここに刻みつけられた《記憶》は、ペルーの歴史と現在が抱える問題を解決するための、確かな礎となるのだろう。

太田昌国(民族問題研究者)

「ペルーの軍事政権による農地改革についてのニッチなドキュメンタリー」という事前の予想とは裏腹に、ひとたび映画が始まると、ペルー社会とは何か、ペルー人とは何者か、という切実な問いを基点にペルー史を植民地時代から現在まで総括せんとする怪物的な執念に圧倒される。ペルー映画史上の数々の作品が引用されることで、私たちはペルーの人々の記録や夢、希望、絶望、欲望が圧縮され、濁流となって現在へ流れ込んでくるさまを目撃する。

新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)

自由を得るために叫ぶ。黙らせるために叫ぶ。叫びがぶつかる。その時、どちらに耳を傾けるべきか。時代や場所を限定しない、普遍的な問いが詰め込まれている。

武田砂鉄(ライター)

多くの日本人にとっては、ペルーと言えば、例えば1996年の在ペルー日本大使公邸占拠事件とか、日系元大統領アルベルト・フジモリの名前位しか思い浮かばないのではないか。その自分も含め、文字通り蒙を啓かれる思いがした。ベラスコ将軍の軍部革命政権のリアリティ。ペルー現代史に向き合うゴンサロ・ベナベンテ・セコ監督は40歳になる前に本作を作り上げた。自国の現代史にさえ無頓着になった私たちに希望を与えてくれる。

金平茂紀(ジャーナリスト)

監督:ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
脚本:グレシア・バルビエリ、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
撮影:エラルド・ロブレス
編集:チノ・ピント、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
ペルー/2019年/スペイン語・英語/111分/原題:LA REVOLUCIÓN Y LA TIERRA/日本語字幕:比嘉世津子
後援:在日ペルー大使館 日本ペルー協会
配給:ブエナワイカ(『マタインディオス、聖なる村』、『アンデス、ふたりぼっち』、ペルー映画祭)
宣伝:スリーピン

©2019 Autocinema

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